歯科医療のニーズは日本全体の人口動態に大きく影響を受けます。日本が超高齢社会を迎えるにあたって、日本の歯科医療も従来のような歯科疾患だけでなく、口腔を取り巻く疾患の治療と予防、さらには介護への支援が社会や国民から求められてきています。特に高齢者に対する歯科治療は、口腔内や全身の健康状態などの個人差が大きく、歯科医療の提供場所や治療内容も多岐にわたることが予想されます。厚生労働省も、日本の歯科医療において、今後は居宅や介護施設等の訪問歯科診療のニーズが当面増えていくもの、という見通しを立てています。今後の歯科医療ニーズの話題といえば、高齢者ばかりに焦点が当たりがちですが、重要なのは子どもから高齢者まで各ライフステージごとに寄り添う歯科医療です。たとえば、小児に対しては予防歯科のさらなる充実や口腔機能の健全な成長・発育のための対策を、成人には歯周疾患の予防や虫歯の重症化予防に加えて機能回復のニーズが考えられます。このように日本でも歯科医療のニーズが多様化するなか、これらに対応できる歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士といった歯科医療従事者が求められています。人々のニーズの変化を受けて、日本の歯科医療は変革を様られているとも言えるでしょう。さらに美しい口元を維持、再現するという新たな歯科治療に変化していくことが必要だと言えそうです。