色んな食物を1つひとつ少量口に入れてじっくりと、しかし軽めに噛みしめる事を心がけます。また、口の筋肉が疲れすぎないように早めに切り上げつつ練習回数は多くします。その中で手ごたえのある噛み方を見つけて慣らしていく事。これらが義歯を慣らしてあご周りの筋肉のリハビリをしていく際の標準的なコツだと言えます。これは「自分に合った入歯である事」が大前提だと言えるでしょう。不自然な入歯は人相まで変えてしまうと言われています。「デンチャー・フェイス」と呼ばれます。噛むたびに口周りがしわだらけになり、鼻唇溝は深く、顔は縦方向に縮んでしまいます。この傾向がみられる場合、入歯の高さが低かったりと合っていない可能性が考えられます。高さを調節してもらい、自分に合った入歯で慣らしていきましょう。噛むたびに義歯がカタカタ鳴るという場合には高すぎるケースが多いようです。入歯を入れた当初、食事時間は普通の人の3倍くらいかかる事は覚悟しておくべきだと思います。加えて、口い含む量も1/3くらいにする事も重要で、家族の協力も必要不可欠です。「まだ食べてるの!」なんて言ってしまうのはNGです。本人を傷つけてやる気を殺いでしまいかねませんから。あご周りの筋肉も他の筋肉同様にリハビリが必要です。リハビリを温かく見守ってあげるのがとても大切です。大凡3週間ほどで少し入歯に慣れ始め、6週間すると順応してくると言ったところでしょう。しかしこれはあくまで「感じ」だけで、咀嚼能率は更に1か月ほど上昇し続けます。ご高齢となると、うまく噛めるようになるには更に半年ほどかかるという事もあります。このように時間はかかりますが、ひとたび義歯に慣れて上手く使えるようになってしまえば、噛む力も強くなります。口の周りにはたくさんの神経があります。大脳の中で、口に関係した部分がとても多いのです。つまり噛む力が戻るという事は伴って大脳も強く刺激する事に繋がりるのです。